推定50ps?? ついにフルパワーへ!CRF450L モタード化プロジェクト Vol.5 presented by MOTOZEN

      2018/12/06

CRF450L ついにフルパワーへ

話題の新型車 Honda CRF450Lを使用してモタードマシンを製作するプロジェクト取材記事の第5段。
今回はみなさんが一番気になっているであろうフルパワー化についてのお話です。

【これまでの記事】
CRF450L モタード化プロジェクト VOL.1 First Look Honda CRF450L presented by MOTOZEN

CRF450L モタード化プロジェクト Vol.2 前後ホイールとフロントブレーキ交換 presented by MOTOZEN

CRF450L モタードに乗りました!CRF450L モタード化プロジェクト番外編 presented by MOTOZEN

CRF450L モタード化プロジェクト Vol.3 SUTERスリッパークラッチ取り付け presented by MOTOZEN

CRF450L モタード化プロジェクト Vol.4 ハンドガードとシートカバーを装着 presented by MOTOZEN

フルパワー化とは

フルパワー化とは、意図的に落とされているパワーを、本来持っているであろうパワーを出すことを指しています。

日本国内で販売されているCRF450Lはカタログスペックで24psです。

最高出力(kW[PS]/rpm) 18[24]/7,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 32[3.3]/3,500
出典元:スペック・サイズ | CRF450L | Honda

しかしベースとなっているCRF450Rは最新のレースマシンで、カタログに馬力は記載されていないものの50psは軽く超えているマシンです。

ヨシムラジャパン様公開 CRF450R 2018 パワーグラフ
画像:ヨシムラジャパン様公開 CRF450Rのパワーグラフ
ヨシムラマフラーを装着した状態で55psは出ているようです。
出典:CRF450R(17-18) RS-9T レーシングサイクロン/商品詳細|ヨシムラオンラインショップ

ナンバー付きストリートマシンにするからと言って、いくらエンジン部品を変えても出せるパワーが半分以下なはずはありません。
だって24psって排気量が約半分でレース専用設計ではないエンジンを使用したCRF250Lと変わらないのですから。

最高出力(kW[PS]/rpm) 18[24]/8,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 23[2.3]/6,750

スペック・サイズ|CRF250L|Honda

絶対にカラクリがあるはずと踏み、CRF450Lが発売されてからの2ヶ月間色々と模索をしていたんですね。
何もデータが無い状態で調べながら行ってきたため、すんなり簡単というわけには行かず随分と時間が掛かってしまいました。

CRF450L モタード

早速フルパワーで乗ってみました

 

こ れ は

 

|゚+.|艸`)キタヨ|。+゚|´艸`)キタヨ|+。ο・;+|( *´艸`)キチャッタヨゥ♪

 

キタァ━(゚∀゚)( ゚∀)超( ゚)絶( )大(゚ )興(∀゚ )奮(゚∀゚)━キタヨー!!!!!

 

キタ━━━━━y=-(゚∀゚)・∵.━━━━━ン!!!

 

ヤ ヴァ イ

 

もうレーサーですよ、レーサー!
今までのCRF450Lはニセモノ、同じバイクとは思えません。
ちょっと勢いよく加速すれば勝手にフロントが浮いてきます。
このパワーを期待していたんですよ!!!

フルパワーCRF450Lモタードでのフル加速オンボード

※公道ではないクローズドされた区画での撮影です。

 

 

※公道ではないクローズドされた区画での撮影です。

最高速は133.3km/h。
直線は減速区間を含めおよそ500mで、ギリギリ6速に入ったところまででした。
バイクのファイナル(スプロケット)はフロントが13T、リアが50Tです。

もう少し具体的にインプレッションを

興奮さめやらないためにちょっとフィーリング重視で先走ったコメントをしてしまいました。
では具体的に何が変わったかを明記します。

パワー特性の変化

CRF450Lのエンジンに対するファーストインプレッションは、「中域から上(高回転域)はエンジンが回るだけでパワーが無い」でした。
(当時のインプレッションはこちらの記事を参照してください。→CRF450L モタードに乗りました!CRF450L モタード化プロジェクト番外編 presented by MOTOZEN

 

ヨシムラジャパン様公開 CRF450R 2018 パワーグラフ

画像:ヨシムラジャパン様公開 CRF450Rのパワーグラフ
出典:CRF450R(17-18) RS-9T レーシングサイクロン/商品詳細|ヨシムラオンラインショップ

このヨシムラジャパン様のグラフを見ると、回転に合わせてどんどんとパワーが出て行きレブリミット近辺で落ち込みが見られます。
私が知っているバイクの動きは、このグラフのようなバイクばかりです。

CRF450Lのノーマル状態はパワーグラフで表すと下記図のようなイメージです。

ノーマルCRF450L のパワーカーブイメージ

中域までは回転に合わせてパワーが出るけれど、それより上の回転になるとパワーが無い(変わらない)。
だけど回転だけは上がっていく。
自分が予期しないパワーの出方をするノーマルCRF450Lはとても違和感がありました。

 

ですが、フルパワー化したCRF450Lは回転の上昇に伴いパワーが出てきて、まさに上のヨシムラジャパン様のグラフのような特性になりました。

 

高山直人選手 CRF450L

高山直人選手にも乗ってもらいました。
@栃木県:フェスティカサーキット

絶対的なパワーアップ

実はノーマルのCRF450Lでは、ウイリーが出来なかったんです。
頑張ってフロントを持ち上げようとしてもパワーが足りない&上述のパワー特性のせいで上がりそうになっても上げられない。
ウイリーが上手な人ならば出来るかもしれませんが、私には出来ませんでした。

ですがフルパワー化された今は勝手にフロントが上がります!
そしてスピードの上がり方がと加速感が尋常じゃなく、構えていないと体が持って行かれます。
迂闊に開けるとまくれるかもしれません。

そして高回転域だけではなく、低中域もグッと良くなりました。
低域はノーマルでも十分いいと思っていましたが、さらにパワー感が上がっています。

全日本、アジア選手権のモタードトップライダー高山選手にも乗ってもらいましたが、

高山選手
このバイクで全日本に出たい!これならレースになる!
というかなり満足されたコメントをいただきました。

レスポンスの良さ

アイドリングからアクセルをスナップした時のレスポンスも大変良くなりました。
ノーマルでも今までの国産ストリートマシンより全然鋭いと感じましたが、それはあくまでも仮の姿。
フルパワーになると別物です。

ノーマルの時は急開してもジワっと開けてもレスポンスはあまり変わりませんでしたが、今はガバッと開けたら開けただけ鋭く回転が上がります。

極低回転の扱いづらさ

今は開発中の抜けの良いレーシングマフラーが付いていることもあると思いますが、アイドリング状態から発進するような極低域は扱いづらくなりました。
トルク不足でエンストしそうになるためクラッチを使いたくなるのですが、レバーが遠く扱いづらいため実際にエンストして立ちゴケしそうになりました。
(私の手が小さいことも影響してます。グローブはSサイズ)

CRF450Lのクラッチパーチについて

CRF450Lは、レーサーCRFシリーズとはクラッチパーチが異なり、レバーの遠近調節が出来ません。レーサー用パーチでの調節部分にはクラッチスイッチが付いています。

moto禅オリジナル CRF450L SMR Power Core プロトタイプフルエキゾーストシステム

現在moto禅様で開発中のレーシングフルエキゾーストマフラー(プロトタイプ)。
プロトタイプのため、製品とは仕様が異なる可能性があります。

排気音量がアップ

明らかに音が大きくなりました。
現在moto禅様にて開発中のレーシングマフラーを使用していたのですが、ノーマル状態ではさして音量は気になりませんでした。
しかしフルパワー化したら音も別物、こちらもやはりレーサースペックです。

フルパワー化にあたり行ったこと

ある電気関係部品を交換します。
フルパワーキットはmoto禅様にて販売中。
Honda CRF450L国内仕様用 ボルトオンフルパワーキット |MOTO禅|バイクパーツ輸入販売代理店

「詳細はノウハウのため控えさせていただきたい」とのことです。
しかし部品を交換するだけの軽整備でフルパワー化が出来るとのこと。
ただある程度の専門知識は必要なため取り付けは各ショップにてお願いいたします。

 

CRF450L モタード

フルパワー化しての総評

これぞバイク、これぞCRF。
とてもパワフルで機動性の高い楽しいバイクになりました。
ですが、この状態で販売していたら速すぎて危険なのでは?とも思います。
有り余るパワーは時として制御不能に陥り、事故に繋がる可能性もあります。

扱いやすさという意味では、ノーマルのCRF450Lはすごく良いバイクでした。
フルパワー化はそれなりのリスクも伴うことをご承知おきください。
全日本、アジア選手権のモタードトップライダー高山選手も同意見でした。

フルパワー化を考えられている方は、ご自身の責任の元リスクを理解し行っていただくことをおすすめいたします。

 

次の記事は「フルパワー化したCRF450Lのパワーチェックを行いました!CRF450L モタード化プロジェクト Vol.6 presented by MOTOZEN」>>

 

※この記事はmoto禅* 様のご協力の元作成しております。

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世界中のユニークなバイクパーツを輸入販売する小売兼デュストリビューター。

などの日本総輸入代理店であるほか、GoProをはじめとしたウェアラブルカメラの取り扱いも行なっています。
モタードに強く、moto禅で取り扱う部品だけでモトクロスマシンからモタードマシンにすることが可能です。

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