カメラマンささきてつおさんによるMFJ全日本スーパーモト第7戦美浜サーキットクニモト レースレポート

      2021/11/07

10/30-31 は愛知県 美浜サーキットクニモトにてMFJ全日本スーパーモトの最終戦が開催されました。
カメラマン ささきてつおさんから写真の第一弾とレポートコメントを頂きましたので公開です。

S1Proクラス

#1 日浦大治朗 選手


最終戦のヒート1まで完全優勝を続けていた日浦選手だったが、決勝第2ヒートではエンストと転倒があり、まさに魔が差したというところか。
それでも唯一の1分9秒台という驚異の追い上げで2位に入ってくるところが日浦選手の強さの所以ではないだろうか。
来年も強さを見せつける走りを期待したい。

 

日浦選手の強さはギャラリーの声援にも表れている。
老若男女すべての観客を虜にするその速さはレースを終えれば紳士の振る舞いで子供からも尊敬の眼差しで見られている。

#4 長谷川修大 選手


チームの先輩であり、チャンピオンの背中をずっと追いかけていた長谷川選手。
今年の目標を「ストップ・ザ・日浦」にしていたが最終戦までものに出来なかった。
それだけに第2ヒートでの優勝は願っていたものを掴み取った嬉しさが写真からも表れてきている。
来年は日浦選手との好バトルを期待したい。

#9 小原堅斗 選手



なかなか歯車がかみ合わない中もがき続けてきたが苦手としている美浜のコースで両ヒート共に3位入賞。
何かに吹っ切れたからか、自然と喜びが溢れてのクールダウンでの一枚。
来シーズンでの勢いのある走りが楽しみである。

S1OPENクラス

#9 佐々木啓介 選手

まさに「玄人」という言葉は佐々木選手に良く似合う。
一発の速さがあるわけではない、華のあるライディングがあるわけでもない。
それでもレースが終わってみるといつの間にか表彰台に立って涼しい顔をしている。
ある意味S1OPENクラスの門番として自分を超えていかないとPROクラスには行かせないと言っているかのようにも見える。
目の肥えた観客にはこういった選手の方がカッコ良く見えてくるのもスーパーモトの魅力の一つではないだろうか。

 

#16 松本和資 選手


今シーズンすべてのレースでポイントを獲得したのはチャンピオンの松本選手とランキング2位の新沼選手のみ。
その中でもコンスタントに表彰台に居続けた松本選手の経験が差となって表れたのではないか。
松本選手は来シーズン新沼選手と共にS1PROクラスに参戦の予定。
来シーズンの台風の目になることを期待したい。

#10 新沼伸介 選手


予選ヒートではハーフウェットのせいか本来の走りができず下位に沈んでいたが、レースが始まると闘争本能に火がついてしっかりと2位に入ってくるところはさすがという新沼選手。
来シーズンはS1PROでのエントリーという話だが、何処まで行けるか楽しみである。

 

レースが終わってチャンピオン松本選手を祝福する新沼選手。
レースが終わればすべてのライダーが同じ仲間。
共に祝う姿に感動を覚える。
筆者がスーパーモトに惹かれてしまった光景の一つである。

 

S2クラス

#30 鈴木優那 選手


レース中は激しいライディングを見せるもレースが終わるとおちゃめな一面を見せる女の子
そのギャップに魅了される人がたくさんいるのではないか。
今日一番笑顔(ヘルメットで見れないが)を見せてくれた鈴木優那選手。
来シーズンのスーパーモトメンバーになってもらいたいと思う。

 


鈴木選手と三笘選手とのデットヒート。
三笘選手からのプレッシャーに怯むことなく鋭い視線の鈴木選手に強さの秘密の一つを見たような気がした。

#31 三笘進 選手



上のクラスを走る体力がないからと言ってS2クラスにエントリーした三笘選手。
その速さはまだまだ衰えを見せない。
第1ヒートでスローパンクチャーでスタート出来なかった為第2ヒートでは最後尾からのスタートになったが、終わってみれば独走での優勝。
やはり三笘選手は上のクラスが似合うと思う。若いライダーをイジメては駄目ですよ。

 

#3 小鹿翼 選手


最終戦を勝って終わりたかった小鹿だったが、三笘選手、鈴木選手のエントリーで混戦となり、リズムを崩してしまった。
2位、4位と表彰台には立てたが、不完全燃焼でシーズンを終えてしまった。
この悔しさを来シーズンS1PROクラスで先輩たちに胸を借りて優勝を目指す。

取材を終えて、ささきさんからのコメント

今回Motard Bike Nowさんから写真撮影のお話を頂いたとき、全日本選手権のプレスとはどんな世界で写真を撮れるのか?
ふと知りたくなり、責任が伴う覚悟が決まったため承諾させていただきました。

今まで走行会ではコース内で撮影もしていましたが、レース時は観客としてコース外からの撮影だけで、距離も遠くどこか迫力のある大画面なテレビか映画を観ているような一方通行な感覚でした。
その中でお気に入りな選手の写真を撮って喜んでいました。
そうです。自分の中だけですべて完結していました。

今回、プレスのビブスを着たときに少しだけライダーの気持ちがわかったような気がしました。
そして、コースの中でカメラを構えると今までとは異なる世界を覗く事ができたのです。
ライダーがすぐ近くをものすごいスピードと排気の音やスライド中のスキール音で何台も連なって通過していきます。
目の前で激しい転倒をしてもバイクを起こして何事もなかったかのように走っていくライダー。
ライディング中のライダーの声もはっきり聞こえる。
先日のダート有走行会でもコース内で撮影しましたが、決勝日はそれとは比較できないくらいコース全体の雰囲気が変わりカメラを持つ私の手にはいつ間にか汗が。

そうです、真剣勝負の戦場の中に入ってしまったのです。
今回の依頼を受ける前のスタンスであった、自分が気に入る写真が撮れればいいかな?
なんて思っていた自分が恥ずかしくなりました。
もちろん今回はプレスとしてコースに入ることから、レースの邪魔をしないことはもちろんきっちりと仕事をこなさなければ。という強い意志はありましたが実際は想定以上。
命をかけて、真剣に走っているからこそこちらも真剣にその姿を撮らないと失礼だと感じました。
そしてプレスとしてコースに入っているからには、その世界を伝える義務があることの重さも。

しかしレースが終わると途端に空気が変わります。
いろいろな所でファンサービスでウィリーを始めたり、観客に手を振り始めます。
中にはカメラマンに向かってアピールし始めるライダーも。
それまでは少しの怖ささえも感じていた選手たちがレースが終われば溢れるオーラがガラッと変わりました。

このギャップ感がモタードの面白さの一つでしょう。
迫力のあるレースもフレンドリーなファンサービスもモタードの魅力です。
そして一番の魅力はどのライダーもすごくフレンドリーで身近に感じれること。
観客はパドック内も自由に歩くことが出来、ライダーがいたらお話しすることが出来ます。
レースが終わるとピットインしてきたライダーとハイタッチをすることも出来るのです。
(注.サーキットにより出来ないところもあります)

これはロードやモトクロスなどとは大きな違いだと思います。
この選手と観客の距離が近い、アットホームな感じのレースを盛り上げたくてこれまでのさまざまなメディア様は写真や動画を通じて
伝えたかったのではないかと思うようになりました。

今回プレスとしての撮影が出来て、スーパーモトの世界がもっと好きになりました。
貴重な経験をさせていただいたMotard Bike Nowさんに感謝します。
本当にありがとうございました。

以上、ささきさんからのレポートでした!
ささきさんに撮影していただいた写真は後日フォトギャラリーとして公開予定ですのでお楽しみに!

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