レースレポート 全日本スーパーモト R3 エビスサーキット

   

2022年6月12日に福島県のエビスサーキットにて全日本スーパーモト及びスーパーモト S1チャレンジが開催されました。

前回に引き続き、Motard Bike Nowからは、カメラマン ささきてつお さん(Twitter:@sasakitetsuo74)の全日本スーパーモトレースレポートを掲載いたしますので、ご覧ください。

 

全日本スーパーモトも第3戦を迎え、場所を福島県のエビスサーキットに舞台を移し争うことになった。

S2クラス


今回のS2クラスはエントリーが9台と少々寂しい感じもしますが、その分熱い争いが期待できそうです。
公式練習では唯一の59秒台を出した#12鈴木だったが、予選の天候はウェットだった為思ったようにタイムを出せなかったが、
それでも1分00秒で纏めるところは既にトップライダーの風格を出している驚異のルーキー。
それ以上に凄かったのはドライとウェットのタイム差が0.3秒しかない#26原島の走り。
見事にポールを取った走りは百戦錬磨なベテランのなせる業か。

 

決勝レース1




予選1位は#26原島、2番手に#12鈴木、3番手に#2川島の順でフロントローに並ぶ。

 


決勝レース1は#26原島がスタートを決めてホールショットを奪う。
その後から#2川島、#12鈴木、#27古高が続く。

 



途中で#12鈴木が#2川島を抜き2番手に上がるとそのまま2番手争いが白熱。
各コーナーで争うが結果としてトップ#26原島との差を広げてしまう形となる。

 

しかし4周目にトップ#26原島と2番手#12鈴木の差が一気に縮まってしまう。
じわじわと差を縮める#12鈴木に必死に堪える#26原島だったが7週目に遂に#12鈴木に先頭を奪われてしまう。

 


この状況に雨の中観戦に来ていた観客も歓声が上がり会場のボルテージが一気に上がったのを感じることが出来た。

 



後半雨の勢いが激しくなったが#26原島のチャージを何とか振り払うことが出来た。

 


そして最終ラップ、#12鈴木がトップでチェッカーを受けスーパーモトでは初の女性優勝ライダーとなった。






2位には#26原島、3位に#2川島、以下#27古高、#5勝谷、#25大金の順位となった。

 

決勝レース2


決勝レース2はレース1で優勝した#12鈴木がポールの位置からスタート。
それでも#26原島が絶妙なスタートを切りホールショットを奪ってしまう。

 






2番手に#12鈴木、以下#2川島、#27古高、#5勝谷、#25大金の順で1コーナーへ。

 


1周目で#2川島が#12鈴木を抜いて2番手になると3番手の#12鈴木と激しい2位争いを始める。
トップ3台はなんと予選より速い59秒台の争いを始めてしまった。
後方では#27古高以下の選手がペースについていけずに遅れていってしまう。

 



#26原島は後続を引き離し続けそのまま一度も抜かれない完璧な走りで優勝し、シーズン5勝目を挙げた。

 





何度も抜くチャンスを窺っていた#12鈴木は最終ラップのダート出口のシケインで勝負をかけるが#2川島に上手く防がれてしまう。

 



最終コーナーでの立ち上がりで並びかけるもわずか0.2秒及ばず#2川島が2位を死守、3位に#12鈴木となった。

 




中盤4位を走行していた#27古高はミスが響き#5勝谷にパスされてしまい、4位#5勝谷、5位#27古高、6位大金の順位となった。

 


表彰式左より#26原島選手、#12鈴木選手、#2川島選手おめでとうございます。
(1回目の表彰式を使用しております)

ついに原島選手に待ったをかける選手が現れました。
川島選手も速さに磨きがかかって来ていますので次戦の美浜戦が楽しみです。

 

S1Openクラス



S1OPENクラスは予選から天候がすぐれず、後半は視界不良の中でのタイムアタックとなった。
その中でもポールを獲得したのはHSRで連勝して調子の良い#35田所。
2位には#6馬場が入っているがこの二人だけが59秒台を出している。

 


3位には#8佐々木が入っているが1分1秒台で若干差が空いているのでこの差が決勝でどうなるかが見どころである。

 

決勝レース1


決勝レース1では#35田所がホールショットで1コーナーへ。
その後を#6馬場、#8佐々木、#11呉本が続く。

 


#16川崎が1コーナーでスリップダウンして最後尾まで落ちてしまう。

 


1周目より後続を引き離しにかかる#35田所はハイペースでラップを重ねる。

 


2位の#6馬場以降の後続は引き離されまいと必死の追走を試みるが

 


4位走行の#11呉本は1コーナーの突込みでラインを大きく外して順位を落としてしまう。

 


また5位走行の#5高部が2コーナー立ち上がりで転倒。
各選手とも焦るほどに徐々に先頭との差が開いてしまう。

 


#35田所はそのままの勢いで2位に8秒の大差をつけて文字通り圧勝で3勝目を挙げる。

 






2位には#6馬場、3位に#8佐々木となり以下#11呉本、#25佐々木、#38錦織の順となった。

 

決勝レース2


決勝レース2も#35田所が安定のスタートダッシュでホールショットを奪う。
2番手には#6馬場、2列目からの好スタートの#11呉本が3番手で以下#25佐々木、#38錦織、#7森田の順で1コーナーへ。
ダートセクションに入ると#11呉本が#6馬場をパスして2番手に上がり#35田所を追いかけるが#6馬場も簡単には引き下がらず抜き返すチャンスを窺っている。

 




中盤ダートセクション終りのシケインで#6馬場が#11呉本に仕掛けてパッシングに成功。
しかし、このバトルが#35田所の更なる独走を許してしまう。

 



最後まで一度もポジションを落とさなかった#35田所がポールtoウィンで4レース連続優勝を獲得した。

 



2位には#11呉本とのバトルに勝った#6馬場、3位に#11呉本が入った。

  




以下#8佐々木、#38錦織、#5高部が入賞となった。

 

この結果#35田所はポイントを132とし、ランキング単独1位を確保している。
2位以下に約50ポイントの差をつけているのでこのまま独走でチャンピオンに手をかけるのか、
それともストップ・ザ・田所で他のライダーが独走に待ったをかけるのか?
後半戦も期待して見続けてみたい。

 


表彰式左より#6馬場選手、#35田所選手、#11呉本選手おめでとうございます。

 

 

S1 Pro クラス

今回もS1PROの話題は#1日浦、#2長谷川を擁するTeamS.T.F.が勝利するのか?
誰が日浦、長谷川に勝つことが出来るか?になっているのだが、なかなか状況に変化がない。

練習走行でも#1日浦は一人54秒台を出していて圧倒的な速さを出している。
雨が降ってきてウェットとなった予選でも56秒台で見事にポールを獲得した。
しかし、タイムアタック最後にダートセクションで転倒してしまい、以前に怪我をした個所を痛めてしまう。
決勝は大事を取って欠場するというハプニングが起きてしまい、サーキットに衝撃が走った。

決勝ヒート1




ポールポジションが空席のまま予選2位には#2長谷川、3位には#7吉田がフロントローに並ぶ。

 


決勝レース1は#2長谷川がホールショットを奪うが、そのすぐ後ろに2列目から好スタートを決めた#9西村が迫ってくる。

 




3位争いは#7吉田、#6小原、#4金子が行っているが、じわじわと#9西村が遅れてきてしまう。
#9西村と入れ替わる形で#6小原が2位争いに勝つとそのまま#2長谷川を追撃に入る。

 


上位2台と3位以下がラップタイムで2秒差があるのでどんどん引き離されてしまい優勝争いは#2長谷川と#6小原の一騎打ちの様相になってきた。
一時は3秒近く離されてきていた差も小原が必死の追い上げにより徐々に差が縮まり、終盤は追いつくことが出来たが最後は0.1秒差で#2長谷川が逃げ切って優勝。#6小原は悔しい2位となった。

 


以下3位に#7吉田、#5森田、#17新沼、#16松本が入賞となった。

決勝ヒート2



決勝第2ヒートも#2長谷川が好スタート。以下#5森田、#7吉田、#10中島の順で1コーナーをクリアしていく。

 



ダートセクションではバランスを崩した#4金子に進路を塞がれてしまった#9西村が接触、転倒してしまう。
復帰した#9西村は後方からの追い上げとなってしまった。

一方の#4金子も復帰はしたがマシンの不調で最後尾まで順位を落としてしまう。

 

スタートで出遅れた#6小原だったがコントロールタワーに戻った時点では3位までポジションをアップしていた。


勢いの止まらない#6小原は3周目のダートセクションで#7吉田をパスすると#2長谷川をロックオン。

しかし#2長谷川も序盤からペースアップして逃げの体勢を整えつつあった。



3秒近く後続を引き離すことが出来た#2長谷川だったが、ダートセクションで痛恨の転倒。
すぐさま引き起こすも4位まで順位を下げてしまう。
残り周回での必死な追い上げも追撃はかなわず。



最後まで諦めなかった#6小原がチェッカーを受け嬉しいS1PRO初優勝を飾ることが出来た。






2位に#7吉田、3位に#2長谷川、以下#5森田、#10中島、#20広瀬の順となった。

 

表彰式左から#7吉田選手、#6小原選手、#2長谷川選手おめでとうございます。

 

ランキングポイントも#2長谷川と#6小原が120点台と他を引き離しての争いになっているので
後半戦の争いが面白くなってきそうな予感がしてならない。
二人の争いに#1日浦が加わり三つ巴になるのか、他の優勝者が現れるのか楽しみである。

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