レースレポート 全日本スーパーモト R5 名阪スポーツランド
2022年9月18日に奈良県の名阪スポーツランドにて全日本スーパーモト及びスーパーモト S1チャレンジが開催されました。
前回に引き続き、Motard Bike Nowからは、カメラマン ささきてつお さん(Twitter:@sasakitetsuo74)の全日本スーパーモトレースレポートを掲載いたしますので、ご覧ください。
S2クラス
S2クラスはチャンピオンが決まらない白熱した争いとなっている。
ポイントリーダーは181Pで#26原島、146Pで追っているのが#12鈴木、その後を122Pで#2川島が続く。
ポイント的には#26原島が有利に見えるが、名阪はダートセクションが半分を占めるためモトクロス経験者に有利に働く。
経験者の#12鈴木と#2川島がどんな走りをするか、また、不利な状況の#26原島がどのような戦いをするかが観戦のポイントとなってくる。
決勝ヒート1
予選タイムアタックは#12鈴木が1分28秒台の圧倒的速さでポールポジションを獲得。
#2川島が2秒遅れの30秒台で2位につける。3位に#26原島が32秒台で一列目を確保。
#12鈴木が好スタートを見せるがスタートで勝負をかけた#2川島が大外から#12鈴木にかぶせてくる。
しかし、#12鈴木が踏ん張り1コーナーをクリアしていく。
#2川島は諦めずに追いかける。
#26原島は様子を見るように少し遅れながら二人を追いかける。
後方では#25大金、#6藤田、#7佐藤が4位争いをしている。
コースの場所を問わずチャージを仕掛けるが#12鈴木が見事なブロックで抜かせない。
2位には最後まで抜けなかった#2川島、3位に単独走行の#26原島が入る。
決勝ヒート2
ヒート1で抜けきれなかった#2川島が「気合で取りに行く」と言ってた通り、#2川島がホールショットを奪う。
#12鈴木がすぐ後ろで続く。
3位以下少し遅れて#26原島、#25大金、#7佐藤、#6藤田が続く。
ヒート2も二人の一騎打ちかと思われた3周目に#12鈴木が最終コーナでスローダウン。
順位はそのままで何とか復帰するが様子がおかしいようでペースが上がらない。
翌周ホームストレートに戻ってきたところでスローダウン、エンジントラブルによりマシンを止めてしまう。
どうしようもないやるせなさから思わず叫び声をあげて悔しがる#12鈴木。
残念ながらリタイアとなってしまった。
これにより独走状態となった#2川島はそのままチェッカーを受け優勝。
4台の3位争いは#5勝谷、#7佐藤、#6藤田、#25大金の順でチェッカーとなった。
しかしレース後にスタート時の転倒回避の対応で#5勝谷にショートカットのペナルティが課されてしまい、ポジションが下がってしまった。
この結果3位#7佐藤、4位#6藤田、5位#25大金、6位#29加藤に変更となった。
表彰式左から#26原島選手、#2川島選手、#7佐藤選手おめでとうございます。
#12鈴木のリタイヤによってランキングは順位の変化はないが1位#26原島と2位#12鈴木のポイントが46P差に開いてしまい、ランキング争いは#26原島が有利になっている。
他のクラスでシリーズチャンピオンが決まってしまったのでS2クラスのチャンピオン争いが最終戦のメインイベントになるのは間違いないだろう。
どんなレースになるのか、今から楽しみである。
S1 OPENクラス
S1OPENクラスは現在ポイントリーダーの#35田所が2位の#8佐々木に対して60Pのアドバンテージを持っているため、今回のレースで勝つとシリーズチャンピオンが確定するという重要な一戦。
第2戦から勝ち続けている#35田所は今回も勝って自らを祝うことが出来るのか?
予選タイムアタックは計測時間ギリギリで1分32秒のタイムを出した#17菅野がポールを獲得。
2列目には#8佐々木(啓)、#6馬場、#28小川の順となった。
決勝ヒート1
スタートで勢いよく飛び出した#35田所が先頭で1コーナーへ。
その後から#17菅野、#25佐々木(徹)、#8佐々木(啓)、が続いていく。
しかし、#17菅野、#25佐々木(徹)も1周目のダートセクションで転倒してリタイヤしてしまう。
序盤より引き離しにかかる#35田所だったがターマックセクションで転倒してしまい#8佐々木(啓)に抜かれてしまう。
後方では#11呉本と#12大坪、#5高部、#28小川が混戦で争っている。
先頭の#8佐々木(啓)に追いついた#35田所がチャージを仕掛けて追い詰めていき、最終ラップ先程転倒してしまったコーナーで
#8佐々木(啓)を抜き返すとそのまま逃げ切り優勝を勝ち取った。
2位には惜しくも#8佐々木(啓)、3位には単独走行となった#12大坪が入ってきた。
決勝ヒート2
今回も#35田所がホールショットで1コーナへ。
その後を#12大坪、#5高部、#28小川、#19久谷、#6馬場と続く。
3位争いをしていた#5高部がターマックセクションで転倒、順位を落としてしまう。
中盤#8佐々木(啓)が追いつき#35田所にチャージを仕掛けると#6馬場は単独3位となり追いかける。
第1ヒートと逆にチャージする立場だった#8佐々木(啓)だったが、仕掛けるタイミングで周回遅れが出始めてなかなかアタックが出来ない。
2位にはまたも#8佐々木(啓)、3位に単独走行の#6馬場が入った。
4位には#12大坪、5位に#11呉本、6位は#19久谷が入ってきた。
この優勝で#35田所はシリーズチャンピオンを獲得することが出来た。
チャンピオンおめでとうございます。
表彰式左から#8佐々木(啓)選手、#35田所選手、#12大坪選手おめでとうございます。
S1Proクラス
S1PROクラスは前年度チャンピオンの#1日浦、同じチームの#2長谷川、今年勢いがある#6小原とこの3人で優勝を分け合ってきた。
前半戦は#1日浦と#2長谷川が優勝を争っていたが、第3戦よりこの二人に#6小原が割って入ってきた形となっている。
コンスタントにポイントを獲得してきた#6小原がポイント争いではトップに立って有利ではあるが、果たして勝利の女神はどんなドラマを用意しているのか楽しみである。
決勝ヒート1
予選タイムアタックでは#1日浦がただ一人の1分25秒台で堂々のポールポジションを獲得。
3番手には前半戦怪我で調子の出なかった#4金子がフロントローにつける。
4番手にダートセクションが得意な#6小原がつけているがここまでが1分27秒台というタイムを出している。
以下5番手に#2長谷川、6番手に今年初エントリーの#15川留が入ってきた。
決勝スタートでは#1日浦が安定したスタートでホールショットを奪い1コーナーへ。
そのあとを#7吉田、#6小原、#4金子、#15川留、#2長谷川と続く。
1周目のターマックセクションで先頭グループにいた#2長谷川が帰ってこない。
ダートセクションで転倒があった模様で14位で戻ってきた。
中盤になり#6小原が#7吉田を引き離し#1日浦に追いついてくるとトップ争いは更にヒートアップ。
ダートセクションでみるみる差を縮めてくる。
ラストラップのターマックでピタリと後ろにつけると各コーナーでインの差し合いが始まり#1日浦も一歩も引かない構え。
一旦は#6小原がトップに立つも#1日浦がすぐに抜き返し、最後までしのぎ切った#1日浦が0.271秒差で優勝を掴み取った。
2位には惜しくも届かなかった#6小原。少し離れて3位に単独走行となった#7吉田が入った。
以下4位に#4金子、5位#22加藤、6位#5森田の順位となった。
決勝ヒート2
決勝のグリッドに#2長谷川の姿がない。
残念なことにヒート1の転倒があった際に他車と接触があったらしく手を負傷してしまい、レースの出場を断念しまうこととなった。
皮肉にもこの#2長谷川のリタイヤによって#6小原のシーズンチャンピオンが決定してしまったが、当の本人は全く気付かずにグリッドに並びレースに挑むことになった。
今回も#1日浦がホールショットを奪いトップで1コーナーへ。
その後を#6小原、#7吉田、#4金子、#22加藤、#15川留の順で追いかける。
その後を#7吉田が続き、少し離れて#22加藤と#4金子が4位争いとなっている。
3周目にはダートセクションで#6小原が#1日浦を抜いて先頭に立つとみるみる差をつけてくる。
レース後半では10秒近く差を広げて独走態勢になってしまう。
4位には争いを勝ち取った#4金子が入り、5位に#15川留、6位に#5森田が入った。
レースに集中させるためあえてチャンピオン獲得を伝えなかった(大崎監督談)ので、ピットに戻ってチーム員から伝えられると驚いた様子の小原選手はそれでも喜びから満面の笑顔でインタビューの対応をしていた。
小原選手シリーズチャンピオン獲得おめでとうございます。
表彰式左から#1日浦選手、#6小原選手、#7吉田選手おめでとうございます。