CRF450L モタード化プロジェクト Vol.3 SUTERスリッパークラッチ取り付け presented by MOTOZEN

      2018/09/22

CRF450LにSUTERスリッパークラッチをインストール

話題の新型車 Honda CRF450Lを使用してモタードマシンを製作するプロジェクト取材記事の第3段。
今回はモタードレースの必需品、スリッパークラッチの取り付けです。

【これまでの記事】
CRF450L モタード化プロジェクト VOL.1 First Look Honda CRF450L presented by MOTOZEN

CRF450L モタード化プロジェクト Vol.2 前後ホイールとフロントブレーキ交換 presented by MOTOZEN

CRF450L モタードに乗りました!CRF450L モタード化プロジェクト番外編 presented by MOTOZEN

SUTER スリッパークラッチとは

SUTER スータースリッパークラッチ とは
SUTER スータースリッパークラッチは、シフトダウン時など強大なバックトルク(エンジンブレーキ)が掛かった際に機能するクラッチです。
今まではシフトダウンの時など、バックトルク(エンジンブレーキ)が強く掛かる時にライダーは「アクセルで回転を合わせたり」「半クラッチを当てたり」とブレーキング本来の役割ではなく、ホッピング制御などバイクの姿勢制御に多大なエネルギーを使ってきました。
スリッパークラッチはバックトルクが掛かると機械的に半クラッチ状態を作り出すことでバイクの挙動を安定させ、より容易なライディングを可能にします。結果ライダーはもっとブレーキングやコーナリングに集中できるようになります。

引用:SUTER スータースリッパークラッチ とは | SUTER スータースリッパークラッチ 日本語オフィシャルサイト

というものでして、ギアをバンバンと落としてクラッチをパッと繋げれば、リアタイヤがタタタッ!と跳ねるところを勝手にクラッチが滑って動きをスムーズにしてくれるものです。
ロードレースやモタードレースでの装着は当たり前、モトクロスでもシェアが徐々に増えています。
とあるメーカーの4ストロークモトクロスマシンの開発段階では純正でスリッパークラッチを採用するかどうか真剣に検討したという話も聞いたことがあります。
(その時は重量やサイズ的に見送ったという話でしたが)

と、それぐらいレースシーンでは重要なパーツであるスリッパークラッチですが、ストリートでも十分にメリットがあります。

ストリートにおけるスリッパークラッチのメリット

峠道

ふとした峠道。
快適にスイスイと走っている時に不意に現れたブラインドコーナー。
何の意識もせずにカーブに進入しようとした時…

急に現れた対向車!

ギュっとブレーキを掛けシフトダウン、
バイクを抑えることに精一杯。
事故を回避するために最大限の力を発揮しコントロールすると思います。

そんな時に、、
クラッチレバーを触ったりアクセルで回転を合わせたりって…
できますか?

私にはとてもじゃないけれどそんなことをする自信はありません。

こんなケースでもスリッパークラッチがあればバイクの挙動が安定しやすくなるので、より安全かつ確実にブレーキングが出来るようになります。
スリッパークラッチを使用することは結果ライダーの安全にも繋がります。

スリッパークラッチの取り付け

それでは写真を交えて実際に取り付けをしていきます。

使用するクラッチについて

SUTER スリッパークラッチ Honda CRF450R/RX 2017-2018用

SUTER スータースリッパークラッチ CRF450R 2017-2018用(品番:004-21008)

このクラッチはそのままではCRF450Lに適合しませんが、以下の一部部品を購入することでCRF450Lにも使用できることを確認しました。

使用するために購入した部品

クラッチリフターとプレッシャープレート

クラッチリフター 純正品番:22352-MKE-A00
プレッシャープレートのペアリング 純正品番:96140-60010-00

2017-2018 CRF450Rとはプレッシャープレートとクラッチリフター、ベアリングの形状が異なります。
17-18のプレッシャープレートを使用するためには上記の部品が必要になりました。
現在2019 CRF450R/CRF450L用スリッパークラッチも開発中ですが、一刻も速く使いたい場合はこの方法で使用可能です。

17-18年用と19年用で異なるのはプレッシャープレートのみ。
SUTERクラッチは単品部品での販売も行っているので、17-18用クラッチをお持ちの方は後々プレッシャープレートのみの変更で19年に使用することも可能です。

純正クラッチの取り外し

樹脂カバー、クラッチカバーを外します。

 

 

CRF450Lの純正クラッチ

CRF450Lの純正クラッチ

カバーを外すとこんな感じ。
クラッチプレートを見ると。1番外側がズレて入っています。
今まで様々なオフロードマシンのクラッチを見て来ましたが、このように一枚ずらしてあるのは初めて見ました。

 

 

CRF450Lの純正クラッチ

プレートを外し、インナーハブを外します。

 

 

CRF450L クラッチバスケット

バスケットのみになりました。
バスケットはCRF450Rとは違うようで、HINSONと比べたらメインシャフトのベアリング径が違います。
そのため今までのバスケットは使用できませんでした。

 

 

CRF450L 純正クラッチリフター

こちらがCRF450L純正のクラッチリフター。

 

 

クラッチリフターとプレッシャープレート

今回はこっちのリフターを使用します。

 

 

SUTER スリッパークラッチプレッシャープレート CRF450R 2017-2018用

ベアリングはすでにプレッシャープレートにはめてあります。
軽圧入なので、コンコンと叩けばスッと入っていきます。
斜めに入れないように注意しましょう。

SUTERクラッチの組み付け

CRF450L スリッパークラッチの取り付け

続いて組み立て済みのSUTERインナーハブを取り付けます。
プレートを入れ、センターナットを締めたらロックワッシャーを折り曲げます。

 

 

CRF450L スリッパークラッチの取り付け

CRF450L スリッパークラッチの取り付け

今回はテコの原理で曲げました。
傷が気になったりやりづらい場合は、メインスプリングを外してウォーターポンププライヤーなどで曲げてもいいですね。

 

 

CRF450L スリッパークラッチの取り付け

続いてプレッシャープレート。

 

 

CRF450L スリッパークラッチの取り付け

取り付け完了。

あとはクラッチカバーと樹脂カバーを元に戻すだけです。

 

 

CRF450L にSUTERのクラッチカバーを置いて見ました

SUTERのカバーを合わせて見ましたが、問題なく装着可能でした。
HINSONでも問題ありません。

 

 

一通り組み上がったらちゃんとチェックを行いましょう。
切れる、繋がるが問題無いかを確認し、スリッパー機構が機能しているか確認します。

CRF450LでもR用のスリッパークラッチが使用可能でした。
ベースが一緒なだけにかなりの部品が使えますね。

 

次の記事は「CRF450L モタード化プロジェクト Vol.4 ハンドガードとシートカバーを装着 presented by MOTOZEN」>>

 

※この記事はmoto禅* 様のご協力の元作成しております。

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世界中のユニークなバイクパーツを輸入販売する小売兼デュストリビューター。

などの日本総輸入代理店であるほか、GoProをはじめとしたウェアラブルカメラの取り扱いも行なっています。
モタードに強く、moto禅で取り扱う部品だけでモトクロスマシンからモタードマシンにすることが可能です。

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